ROAD TO THE OPEN ARENA

ROAD TO THE OPEN ARENA

¥1,980

開放的な空間構成をなす体育館を、ここでは「オープンアリーナ」と称し、現地における競技者や訪問者の行動観察に基づきオープンアリーナのあり方について解説。
現在、昭和40年代、50年代に建設された公共体育館が老朽化に伴い建て替えが必要な時期を迎えている。そういう意味では、建て替えの際に、従来の画一的な空間構成を脱し、新しい発想でオープンアリーナを目指すチャンスであると考える。その際、本書で紹介する提案を活用していただければ幸いである。

― 著者略歴―
上和田 茂(かみわだ しげる)
1949 年 愛媛県生まれ
1972 年 九州大学工学部建築学科卒業
1977 年 九州大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程満期退学
1987 年 工学博士(九州大学)
1990 年、1998 年~ 1999 年 米国スプリングフィールド大学訪問研究員
1993 年 九州産業大学教授
現在 九州産業大学名誉教授
著書 建築設計資料41 体育館・武道館・屋内プール(共著、建築資料研究社)
戦後50 年と体育・スポーツ施設(共著、体育施設出版)
体育教育を学ぶ人のために(共著、世界思想社)
地域施設の計画21 世紀に向けた生活環境の創造(共著、丸善)
少子高齢時代の都市住宅学(共著、ミネルヴァ書房)
近居 少子高齢社会の住まい(共著、学芸出版社)ほか多数
受賞歴 1991 年日本建築学会奨励賞(論文)
「スポーツホールのオープン化とその可能性」

ISBN 978-4-924833-77-7 JAN 192-0075-01800-9
定価 本体1,800円+税

説明

目次まえがき  … ……………………………………………………………………………………… ⅱ
第Ⅰ部 体育館の歴史  … ………………………………………………………………… 1
1.体育館の呼称について  … ………………………………………………………… 2
( 1 )体育館という呼称の出現
( 2 )その後の展開
2.戦前の学校体育館  … ………………………………………………………………… 6
( 1 )スポーツ環境資源としての学校体育施設
( 2 )わが国最初の近代的体育館/体操伝習所付属体育館
( 3 )生徒控所との兼用
( 4 )有覆体操場
( 5 )雨中体操場・雨天体操場
( 6 )屋内体操場
( 7 )講堂との兼用
( 8 )体育館の日本化・神聖化
( 9 )屋内運動場
3.社会用体育館としてのYMCA体育館の変遷  ………………………… 16
( 1 ) 社会用体育館としてのYMCA体育館
( 2 ) 変遷の概要
( 3 ) 第1期/講堂転用型
明治後期の体育行政
大阪YMCA
東京YMCA( 1 期)
長崎YMCA
京都YMCA
柔剣道場
( 4 ) 第2期/講堂兼用型
北米YMCA同盟の海外援助事業
神戸YMCA(1期)
横浜YMCA
( 5 ) 第3期/体育専用型(屋内球技施設)
東京YMCA(2期)
神戸YMCA(2期)
( 6 ) 第4期/体育専用型(競技観戦施設)
YMCAの体育事業の進展
神戸YMCA(2期)/競技観戦施設への傾斜
大阪YMCA(2期)/競技観戦施設としての確立
名古屋YMCA
( 7 ) 大阪YMCA以後
組立式コート
国民体育館
4.わが国最初の総合体育館/東京YMCA体育館  … ………………… 38
( 1 ) 東京YMCA体育館の特徴
( 2 ) 計画立案の経緯
体育館設置の提案
体育館不要論
体育館建設への始動
( 3 ) 施設内容と創建時平面の推定復原
施設概要
建物の全体的形状
消えた更衣室
諸室の配置および形状
( 4 ) 設計計画のモデル
( 5 ) 体育界への貢献
会員制によるプログラムサービス
水泳界への貢献
球技競技への貢献
社会体育指導者の養成
( 6 ) その後の体育館計画への継承を阻んだ制約条件
5.日本に影響を与えた米国YMCAの体育館  … ………………………… 60
( 1 ) 米国YMCA体育館の変遷
( 2 ) 米国YMCAにおける初期の付属体育館
( 3 ) ランニングトラックの登場
( 4 ) ビジターズギャラリーの設置
( 5 ) バスケットボールの発明と普及
( 6 ) ダブルギャラリー/スペクターズギャラリーの登場
( 7 ) 変則ダブルギャラリーの登場
( 8 ) 日本のYMCA付属体育館への影響
6.戦後における公共体育館の変遷  ……………………………………………… 72
( 1 )「みる」と「する」との競合の歴史
( 2 ) 昭和20 年代/終戦後の模索
( 3 ) 昭和30 年代/多目的大空間としての体育館
( 4 ) 昭和40 年代/市民体育館の台頭
1 ) 屋内スポーツ施設への関心
2 ) 競技施設づくりから市民スポーツ施設づくりへの転換
①スポーツ専用化とステージの非必須化
②「みる」ことの軽視と観客席の縮小化
③ 個人スポーツの重視と施設の複合化
④ 構造主義との決別と建築形態の没個性化
3 ) 都市型市民体育館の典型/港区スポーツセンター
( 5 ) 昭和50 年代/コミュニティ化の萌芽
1 ) 地域体育館によるネットワーク化
2 ) 市民体育館の定着
① 施設の重層化(高層化)の進展
② トレーニングルームの定着
③ 多目的ダンススタジオの登場
④ ランニングコースの普及
⑤ アフタースポーツ空間の充実
⑥ 幼児体育室の設置
⑦ 低床式観客席の再登場
⑧ オープン化の芽生え
( 6 ) 昭和60 年代/多様化の時代
1 ) コミュニケーション施設への指向とオープン化
2 ) みせるスポーツの進展とイベント施設化
3 ) 大会開催と一般利用との共存および可動観客席の導入
4 ) 構造技術の発展と感動的なアリーナ内部空間
( 7 ) 平成10 年代以降/更なる多様な展開
1 ) 防災機能の向上
2 ) オープンアリーナ
3 ) 複合化
4 ) クライミングウォール
5 ) 館内回遊型ランニングコース
6 ) 環境負荷の低減と木の活用
第Ⅱ部 オープンアリーナの計画・設計  ………………………………………… 101
7.公共体育館のオープン化  ………………………………………………………… 102
( 1 ) オープン化とは
( 2 ) 閉鎖的な公共体育館
( 3 ) オープン化による公共体育館の活性化
( 4 ) アリーナのオープン化
( 5 ) 休憩場所としてのコート回りと談話コーナー
( 6 ) なぜ談話コーナーは休憩に利用されないか
( 7 ) 大会開催時のコート回りにおける選手の滞留現象
( 8 ) 不便な高床式(2階席型)観覧席
( 9 ) アリーナの出入口付近における観客の滞留
( 10 ) アリーナのオープン化による支障への対応
( 11 ) プレイ中のボールの動き
( 12 ) 公共体育館の平面形からみたオープン化の実現可能性
8.オープンアリーナのメリットと手法  … …………………………………… 114
( 1 ) オープンアリーナのメリット
1 ) 実利的・直接的メリット
2 ) 心理的・間接的メリット
( 2 ) オープンアリーナの空間構成タイプ
1 ) ノンウォール型
2 ) ワンルーム型
3 ) ショーケース型
4 ) アトリウム型
( 3 ) 空間構成タイプ別の実例
1 ) 栃木県佐野市民体育館
2 ) 福岡県粕屋町総合体育館(かすやドーム)
3 ) 米国エドワードフィットネスセンター
4 ) 山梨県河口湖町民体育館
5 ) 米国ノースイースタン大学レクリエーションセンター
6 ) 福岡県久留米総合スポーツセンター
9.オープンアリーナの効果検証と評価  … …………………………………… 126
( 1 )「誘視」行為からみたオープンアリーナの効果検証
( 2 )「誘視」行為の実測
( 3 )「誘視」行為の発生率
( 4 ) 来館者の動線および「誘視」行為の発生状況
( 5 ) 分析のまとめ/オープンアリーナの評価
10.コート回り空間の活性化  ………………………………………………………… 138
( 1 ) なぜコート回り空間に着目するのか
( 2 ) 利用されなくなったロッカールーム
( 3 ) アリーナへの荷物の持ち込み
( 4 ) コート回りで行われる練習中の休憩行為
( 5 ) ダッグアウトのようなウェイティングコーナーを
( 6 ) ウェイティングコーナーの設置位置
( 7 ) ウェイティングコーナーの多様な用途
( 8 ) ウェイティングコーナーと観覧席の関係
11.幼児体育室のオープン化  ………………………………………………………… 152
( 1 ) 疑問が多い幼児体育室
( 2 ) 設置目的の違い/一時的保育型とプレイルーム型
( 3 ) 設置目的と設置効果の相関
( 4 ) 閉じ込め型ではなく開放的な幼児室を
( 5 ) 開放的な幼児体育室の実例
あとがき  … ……………………………………………………………………………………… 158

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